理念は決して死なない!映画「V フォー・ヴェンデッタ」の感想

2020 6/04
理念は決して死なない!映画「V フォー・ヴェンデッタ」の感想

Hey guys!

映画「V フォー・ヴェンデッタ」を見ました。おもしろかったのでちょっと興奮ぎみです。

2005年に制作された映画なのでちょっと古い映画だけど、もともとは1980年代だかにイギリスで連載されたコミックが原作でさらに古いです。

 ストーリーはウィキペディアを読めばわかりますな

Vフォー・ヴェンデッタ (映画) – Wikipedia

 とあることがきっかけでこの映画のことを知り、見てみることにしたのですがネットフリックスでは配信しておらず。アマゾンプライムVideoで199円で見つけました。

アマゾンプライムは人気作品を観るには別途お金がかかるのがうっとうしい。がこれは199円の価値あり!

ここから先は若干ネタバレもあるかもなので気をつけてください。 

第3次世界戦争が起こり、独裁者アダム・サトラ―によって全体主義になったイギリスが舞台。

サトラ―は同性愛者などのマイノリティーを強制収容所に送り込み、人体実験で生み出したウイルスによる細菌テロを自作自演で解決することにより人々の支持を得るようになったのです。

強制収容所、人体実験、全体主義、恐怖を利用して人を支配する・・・

これはもう明らかにナチス・ヒトラーを連想させる設定です。サトラ―という名前もヒトラーのもじり?

全体主義が徐々に幅を利かせるようになっていた頃、同性愛のために処刑された女性ヴァレリーのセリフ

”表現”や”解釈”という言葉が危険になり

”国家への忠誠”などの言葉が力を増していった

人と違うことが危険になった

これが印象深い

1980年代のコミックが原作なのに今の社会への警鐘のように聞こえます。

こういう問題って時代が変わっても繰り返すんでしょうね。

さてこの映画、1605年11月5日にロンドンの国会議事堂を爆破しようとしたガイ・フォークスが捕まって処刑されるシーンから始まります。

どうやらこの映画はこの歴史上のガイ・フォークス事件をモチーフにしてる模様。

例えば主人公のこの仮面

V

SYFY WIRE
Book vs. Flick: V for Vendetta
Book vs. Flick: V for VendettaIn the early '80s, Alan Moore created one of his best-loved comics, V for Vendetta. The hero, or rather anti-hero, of his story, was a man simply known as V, a ...
から拝借

このどこかで見たことのある仮面、実はガイ・フォークスの顔がモデルで「ガイ・フォークス・マスク 」っていうらしいです。

他にも「11月5日」が物語の鍵となっていて、

11月5日の裁判所爆破から物語が回りだし、1年後の11月5日にイギリスのシンボル、ビッグ・ベン=国会議事堂が華麗に爆破されるシーンで映画の幕を閉じます。

国会議事堂の爆破はガイ・フォークスがやろうとしてたってとこでまたリンクしてます。

ちなみに英語で男性はガイですが、実はこのガイ・フォークスの名前が語源だそう。

Hey guys! このガイ。

いやはやいやはや

すごいスケールですこの映画!

日本ではこのスケールの映画はまずつくれないだろうな~

だって日本のドラマや映画で自国の国会議事堂を爆破するとかアメリカを植民地にする設定なんてありえなくないですか?

これまでにそんな映画あった?!

いや探せばあるかもな、知らんけど。

まあでも日本でそんな映画つくったら批判されるんじゃないかな。それにアメリカに嫌われたら大変だし。

政府の顔色を窺う日本のテレビ界が映画製作に携わってる、という日本の特殊な映画事情を考えると、大人の事情で無理だろうという気がします。

それはさておきこの映画のテーマは理念。だと思います。

人は正しいと信じた理念のためには死を選ぶこともある

というようなことが物語の中で繰り返しちらほら見えます。

なんとも日本ではウケなさそうなテーマ・・・。

全体主義に傾いた政府を潰して自由を手に入れようというのがこの映画の骨格となるストーリーなんだけど、

その原動力となるのがV

Vは実は強制収容所の生き残りで、間違った社会を変えようとします。

それは自分を強制収容所に送り込み拷問した今の主導者たちへの復讐でもある。

Vはvendetta(復讐)のVなのです!

が、

たしかにマイノリティであるだけで殺されたり、政府に都合のいいウソだらけの情報がテレビで流され、常に監視されて自由に物を言ったり考えたりできない社会、そんな社会はどこかおかしいんだけど、

復讐のために人を殺していくVが正義なのか?と言うとどうも疑問。

Vはヒーロー的なんだけど、どこか狂っていて肯定しづらいところもある。

がこれも実は、自分の信じる理念のためならどんなことをしても許されるのか?って問いを観てる人に投げかけているんだと思います。

うーむ・・・、深い

時として人は理念のために死を選ぶこともある

でもその理念は、どんな手を使ってでも実現するのが正義なのでしょうか?

自作自演のウイルスを使った細菌テロで自分の理想の国を作った独裁者ヒトラー・・・じゃないサトラ―

強い信念を持ち復讐のために独裁者と幹部たちを殺戮していくV

逃げてばかりで、権力に立ち向かった父や母のように強くなれないことが悔しいイヴィー

Vを追っているうちに強制収容所や細菌テロの事実を知ってしまう刑事

いろんな立場の登場人物を観ながら、そんなことを考えさせられる。

そしてこの映画、似たようなシーンが繰り返しあります。コミックや小説が原作の映画化だと短い中に多くの複雑な設定を盛り込まないといけないです。そのためどうしても話の流れが唐突に感じられることが多いですが、繰り返し効果を上手に使って話に引き込んでいってくれてると思います。

 

例えばイヴィーの母が捕まるシーン。

 

子供だったイヴィーはベッドの下に逃げ込んで母が捕まるのを見てるんだけど、ゴードンが捕まる時も同じようにイヴィーはベッド下に逃げ込みゴードンが捕まるのを見てます。

そういう細かい演出がイヴィーが逃げてばかりという設定に説得力をつけてます。

他にも炎の中で目覚めるVと雨のイヴィーなど対比を思わせるシーンとか、まあーよくできた映画!

どうでもいいけど私の好きなシーンは、Vとイヴィーが「巌窟王」というVのお気に入りの映画を一緒に観るところです。

この映画、どうやら主人公が復讐を果たして最後はヒロインと一緒になる、というストーリーっぽい。

イヴィーはハッピーエンドなら観るけど的なことを言い

Vは「映画なればこそ」ハッピーエンドだと答えます。

映画を見終わってVがイヴィーに感想を求めると、イヴィーは

「メルセデス(ヒロインね)がかわいそう。彼は復讐を優先したから」と答えます。

ふむ、と一言V。

Vはこの映画で復讐に燃える主人公と自分を重ねているのでしょう。だからこそVはこの映画が大のお気に入りなのです。

が、復讐のために生きるVは彼女の言うことが今いちピンとこないよう。

 その後もVとイヴィーの間にはいろいろ起こり、この映画(本編のほうね)のラストシーンで、Vは最後の復讐を果たしたあとイヴィーのもとに戻って彼女の腕の中で死にます。

で、Vはこの時言うんです。

20年間復讐のために生きてきたけど、イヴィーに出会って恋をした

それですべてが変わったんだと

それが君が僕にくれた最上の贈り物だって

うぉぉぉぁ泣けるーーーー(;_;)

復讐のためだけに生きていたVは愛を知ることで、自分のしてきたことは間違ってたって思うようになるのです。

ここで先ほどの2人で映画を観るという何気ないワンシーンが活きてきます!このための伏線だったのか!

でも過去の記憶もなく、復讐のためだけに生きてきたVはやはりそうすることしかできないのです。

まあ言ってみれば、

超、ベタ!

なんだけどベタな展開で見事に魅せている作り手の技量もすごい

この愛という感情が入り込んだおかげで殺伐とした世界観に何やらあったかいものが感じられて、映画の救いになってます。ダンスシーンもいい

そして復讐を果たしてヒロインと結ばれハッピーエンドで終わった映画「巌窟王」に対して

現実は復讐のために生きて死んでいくっていうのがよりぐっとくる!

これは映画じゃないからハッピーエンドはありえないんだ!って言われてるみたいです。

まあ映画だけど。

最初は気味の悪かったガイフォークスマスクが見終わる頃には愛おしくなってる不思議さよ

もっといろいろ思うところあるんだけど私の文章能力ではこれで限界

まだみてない人はゴーゴーゴー!!!


V フォー・ヴェンデッタ (字幕版)

では!

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